貴金属業界では純金のことをヤキと呼びます。金を精錬するとき、塩をつけて焼いたのでヤキという言葉が生まれたといわれています。さて、なぜジュエリーにヤキを使ってないのでしょうか。純金に対する人間のあこがれには強いものがありますから、ジュエリーに使うときも、を使いたいはずです。事実、古代のジュエリーはほとんどK22以上です。逆に古代のジュエリーといわれたら、多少乱暴ですが少し力を加えてみると、そのやわらかさで本物かどうか当りをつけられることもあります。さて、K18という75%の金合金にしている理由は、大きくいうと2つあります。
1.ヤキではやわらかすぎ、キズがつきやすいためです。
とくに指輪にしたとき上側より下側、つまり手の平側がいろいろなものを手でつかんだりする為キズが深くつきます。このキズのつきかたが、18金は<ヤキ>よりも小さいのです。さらに加工の段階でへらを使ったりして加工強化します。
2.もう1つはやわらかすぎて石等を留めたときに、服に爪がひっかってすぐ爪の部分が折れたりして石が無くなる可能性があるためです。
この弱点を補うためには、硬さをもっと増すことが必要です。そこで人類は、他の金属をまぜて、ヤキより硬くすることを発見しました。一般に金属は純粋なほどやわらかく、他の金属を混ぜると硬くなります。